(2)の和馬ちゃんは中学2年生にて、既にチェーンスモーカーだったのですが、ある日の事、担任である女教師、大林先生(仮名)から自分も煙草を止めるから、和馬ちゃんも止めるよう、半ば強引に約束を取りつけました。その時は大林先生の荒い鼻息におされて約束に応じた和馬ちゃんでしたが、ブレる事なく喫煙をし続け、そんなこんなでマラソン大会の日となりました。
僕等のクラスは午後の1番の滑走でしたが、昼食後、和馬ちゃんは「みッちゃん(仮名)、ウンパー(煙草)いこうぜ!!」等と言い放ち、颯爽と2人して校舎を後に、どこかえ消えてしまいました。
昼休み終了5分前に戻ってきた和馬ちゃんは、煙草臭を漫勉なく撒き散らしながら運動着に着換え始めました。僕は何気なくどれ位吸ってきたかと尋ねると「今日は走らなきゃいけないから11本で止めといた。」と言ってのけました。1日にどんだけー!!なんて思いながら僕も着換えはじめました。
僕とは違う組でスタートした和馬ちゃんでしたが、速い速い!!2位との差をドンドンとひろげ、あっという間に半周の差となり、勢い留まる事無くしてゴール!!それを職員室のベランダから見ていた大林先生は「和馬は煙草を止めた…吸っていたらあんな走りは出来ない…」等と口走りながら大粒の涙を溢したそうです。
全てが終了し、学ランに着換え終ると「ミッチャン、ウンパーいかない?」と述べるやいなや、再び何処かへと消えていったのです。何とも言えぬ一件でしたが、それにより大林先生は禁煙できたのですから、良かったんだななんて、今は思えています。
竹田直哉
0 件のコメント:
コメントを投稿